俳優・赤楚衛二、挑戦し続ける

正直、日本テレビ系で土曜21時から放送中のドラマ「相続探偵」というタイトルは、最初はピンとこなかった。相続と探偵の仕事がどう関係するのか。その関係性が物語の鍵なのかもしれない。

「このドラマは、他のミステリーとは違い、今は亡き人が誰かに伝えたかった思いに焦点を当てています。遺言書は、強いメッセージになると思います」と、ドラマの放送前に主演の赤楚衛二は語っていた。

ドラマは、元エリート弁護士の探偵・灰江尚(赤楚)が、休職中の医学生(桜田ひより)、元警視庁科学研究所研究員(矢本悠馬)とタッグを組んで、相続にまつわる事件を解決していく。同名の漫画が原作。

相続が絡むと人間関係が揉め事になるのは必至。そんな状況でも灰江は飄々としていてつかみどころがない。

赤楚は、物語にコメディ要素もあると言い、演じる上では「コメディとシリアスの使い分けを意識する」と話す。

最近は話題作の主演を多く務める赤楚。

「経験を積むにつれて、大きくなった部分もあるかもしれない」と赤楚。「役を演じる時は、こうすればいいと思っているかもしれない。でも、自分を過信しすぎないで。『自分のやり方は間違っているかもしれない』と疑い続けたい」。

原作:西荻弓絵、生田曜、講談社刊行の漫画『相続探偵』 ©日本テレビ
灰江奈緒役:赤楚衛二
赤楚は、私の質問に一つ一つ真摯に答えてくれた。彼の振る舞いは、スクリーン上の「好青年」というペルソナと一致していると思った。このイメージが、より多様な役柄に挑戦する妨げになっているかと尋ねた。

「人はみな、特定の環境で生まれ育っています。そこには必ず良い面と悪い面があります。今は良い面を楽しんでいるのかもしれませんし、そうだとしたら、もっと幅を広げていきたいです」と赤楚は語った。

彼はさらに、「演技をするときは、自分の持っている資質を意識的に広げていくことが大切だと思っています」と付け加えた。

愛知県で育った30歳の赤楚は、NHKの連続テレビ小説「舞い上がれ!」をはじめ、数多くのテレビドラマや映画に出演している。

赤楚は、子供の頃に思い描いていた30歳の男性ではないと言う。

結婚して、子供やペットを育て、一緒に散歩を楽しむと思っていた。「今は台本を読んで、セリフをつぶやいて覚えるだけです。こんな風になるとは思ってもいませんでした」。

しかし、そんな自分を嫌ったことはないという。

「安定はしたくない。常にチャレンジし続けたい」と赤楚は言う。「いつも幸せでいるのも素敵かもしれないけど、常に一歩ずつベストを尽くすだけ」と赤楚は言う。

赤楚英二さんへの質問
読売新聞:俳優をやっていなかったら、何をしていたいですか?

赤楚英二:実力を考えなくていいなら、大谷翔平みたいになりたい。メジャーリーガー。でも無理。現実的には、車が好きなので、カーディーラーに就職するか、整備士になると思います。

読売新聞:最近、一番興味があることは何ですか?

赤楚:猫の動画をよく見ます。最近は猫を見て癒されるのが好きです。猫って本当にかわいいですね。

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